システム受託プレイブック
⌘ K

AI見積相談:開発提案を急がない判断

課題感の強いAI相談を、情報分類・多軸診断・商談設計によって業務・データ診断へ切り替えた例。
ANONYMIZED CASE

実案件をもとに、企業・人物を特定できる情報を除き、一部の表現と数値を簡略化しています。

CONTEXT

受領時点では「AI見積システム」の相談に見えた

業種製造業系

仕様に応じた部品・工数を含む見積業務

課題見積に約1週間

リードタイム短縮への問題意識は強い

顧客側の案AIで部品を判断

具体的だが、成立条件と代替案は未確認

情報経路仲介者の報告書

顧客発言、要約、要件化が混在

最初の注意点課題認識が高く、解決案が具体的でも、それだけでは開発範囲・費用・AI適用可能性を判断できない。

MODEL COMPARISON

単一レベルでは、進んでいる情報が未判断を隠す

OLD案件全体をL1〜L4で表す

課題が具体的、AI案がある、予算感がある、取締役が起点。

L3前後と誤認し得るAI見積システムの機能・概算提案へ進む
CURRENT領域と確認状態を分ける

価値だけが先行。原因、データ、評価、実行条件、組織合意は未確認。

本開発条件は未成立ボトルネックとAI評価可能性の診断へ進む
平均点を出さない理由進んでいる「課題認識」と具体的な「解決仮説」が、提案を止める未判断を相殺してしまうためです。

EVIDENCE RECLASSIFICATION

報告書の記述を、情報源・主張・確認状態へ戻す

INFO-01見積作成に約1週間かかる
情報源:仲介者が作成した報告書主張:業務事実として記載確認:未確認

扱い課題仮説の起点には使うが、改善効果の基準値にはしない。実案件で時間内訳を確認する。

INFO-02部品選定が見積遅延の原因
情報源:仲介者による要約主張:原因仮説確認:未確認

扱い実務担当者と直近案件をたどり、探索・判断・待ち・手戻りのどこが支配的か確かめる。

INFO-03AIが必要な部品を判断する機能が必須
情報源:仲介者による要約主張:解決仮説確認:未確認

扱い正式要件にしない。目的、代替案、データ、評価方法を確認するまで比較案として残す。

INFO-04予算感はあるが、時期は調査段階
情報源:仲介者が作成した報告書主張:実行条件に関する発言確認:未確認

扱い本開発予算や期限とは扱わず、固定理由と調整可能範囲を本人へ確認する。

関連ナレッジ情報源・根拠管理の3軸を確認する

MULTI-AXIS ASSESSMENT

案件の現在地を領域ごとに読む

価値課題認識は高い
根拠
見積に約1週間という報告
未判断
時間内訳、件数、事業影響、成功条件
業務原因は仮説
根拠
部品選定が難しいという要約
未判断
実作業、待ち、手戻り、例外の実態
解決AI案が先行
根拠
AI部品判断が必須との記載
未判断
利用場面、代替案、対象・対象外
実現性未調査
根拠
データや評価方法の記載なし
未判断
見積・仕様・BOM・原価・工数の紐付き
実行条件肌感・希望のみ
根拠
予算感、調査段階という共有
未判断
上限、期限理由、担当体制、調整可能範囲
意思決定取締役個人が起点
根拠
相談開始者として記載
未判断
実務・代表・ITの関与と判断基準
顧客準備業務課題は説明可能
根拠
困りごととAI案は言語化されている
未判断
業務とシステム・AIの役割分担
提案を止める中核の未判断

「1週間」のボトルネック、AIが担う対象タスク、過去データの紐付き、正解と合否基準、関係者間の合意。

DIAGNOSTIC ROUTING

二つの診断を商談の中心へ置く

ボトルネック未確認

部品判断を短縮しても、最大時間が他部署待ちや手戻りなら全体は縮まらない。

AI・データ未確認

見積・仕様・BOM・原価・工数の紐付きと、正解の評価方法が分からない。

導出PoCの前に診断

検証データと合否基準を作れるか確認してから、限定PoCの可否を決める。

MEETING DESIGN

判断結果を初回商談の設計へ変える

目的

ボトルネックとAI評価可能性を確認する。

優先質問

実案件の時系列、判断基準、データの紐付き、正解と許容誤差。

扱わない・決めない

AI機能詳細、開発費、本開発スコープ、AI精度の約束。

次回参加者

見積実務担当、業務責任者・決裁者、データ・システム管理者。

依頼資料

過去見積、仕様書、BOM、実績原価・工数、改訂履歴。

終了条件

追加計測、必要データ、次回参加者、双方の宿題を担当者付きで合意する。

関連ナレッジ完全な商談設計ブリーフと60分アジェンダを見る

PROPOSAL DECISION

開発提案から、判断材料を作る提案へ切り替える

受領時の想定AI見積システムの提案

機能、開発範囲、概算費用を提示する。

プレイブック適用後業務ボトルネック診断+AI・データ実現性診断

原因、データ、評価方法を確認し、限定PoCへ進めるか判断する。

NEXT STAGE限定PoCへ進む条件
  • AIが担う対象タスクと人の役割を限定できる
  • 入力・正解データを案件単位で用意できる
  • 評価指標、許容誤差、合否基準を事前に合意できる
  • 人の確認、機密、責任、フォールバックが成立する

PLAYBOOK REVIEW

この案件で確認できた設計原則

01

課題認識と発注準備は別困っていることは、本開発を決められることを意味しない。

02

具体的な解決案ほど出所へ戻す「AI必須」は正式要件ではなく、未確認の解決仮説だった。

03

AIは評価可能性を見る出力できるかより、正しさを後から判定できるかがPoC可否を決める。

04

診断も提案の出口不確実性が価値と費用を左右するなら、判断材料を作ること自体を成果にする。

05

商談は終了条件から設計する聞けることを並べず、次回へ進むための合意から質問を逆算する。

改修前のケース評価設計思想 8.5 / 10多軸化は有効
改修前のケース評価初回商談の実務性 7 / 10根拠管理・診断・商談設計を今回補強
v0.7の再評価は次の実案件で行います。評価点を上げることではなく、誤った開発提案を止め、次の判断を一貫して導けるかを確認します。