システム受託プレイブック
⌘ K

業務ボトルネック診断

「1週間かかる」を分解し、システムで変えるべき時間と、変わらない時間を見極める。

WHEN TO USE

課題は見えるが、時間の内訳と原因が分からないときに使う

リードタイムが長い、属人化している、ミスが多いという課題認識だけでは、解決策を決められません。実作業が重いのか、情報待ちなのか、判断が難しいのかで、必要な打ち手は変わります。

このモジュールを使う

時間の内訳がない/原因が関係者の推測/例外・手戻りが多い/AI・自動化案が先行している

いったん使わない

対象業務そのものが未特定/課題の事業影響が不明/すでに実測と原因検証が完了している

「作業に1週間」は測定値とは限りません。実作業、カレンダー上の待ち、差し戻しを含むのかを確かめるまで、改善効果の基準には使いません。

TIME CATEGORIES

リードタイムを8つに分ける

分類の目的は精密な原価計算ではなく、どこへ介入すれば全体時間が変わるかを見つけることです。一つの工程に複数の時間が混ざる場合は分けて記録します。

実作業成果物そのものを作る時間
確認すること
何を入力し、何を作り、正味何分かかるか
仕様確認、見積計算、資料作成
探索必要な情報・資料・過去事例を探す時間
確認すること
どこを探し、見つからないとき誰に聞くか
類似見積、部品表、単価表の検索
判断基準を照合し、選択・推定する時間
確認すること
何を根拠に決め、経験者との差はどこに出るか
部品選定、工数推定、例外判定
転記同じ情報を別の帳票・システムへ移す時間
確認すること
入力元と入力先、件数、二重入力の理由は何か
Excelから基幹システムへの入力
他部署待ち別担当・別部署の回答や処理を待つ時間
確認すること
誰の何を待ち、依頼から回答まで何日か
設計回答、仕入先見積、営業確認
承認待ち権限者の確認・決裁を待つ時間
確認すること
承認条件、差し戻し理由、承認者の滞留は何か
金額承認、値引き判断、例外承認
手戻り誤り・情報不足・認識差でやり直す時間
確認すること
どの工程へ戻り、原因別に何件・何時間あるか
仕様変更、入力漏れ、確認不足
例外対応通常ルールで処理できない案件への時間
確認すること
例外の種類、頻度、判断者、暫定対応は何か
新規部品、一品一様品、特殊契約

DIAGNOSTIC PROCESS

業務説明ではなく、実案件の時系列をたどる

  1. 01
    範囲を決める

    開始と終了を明確にする。『依頼受領から見積提出まで』のように境界を置く。

  2. 02
    実例を一本たどる

    平均的な説明だけでなく、直近案件の時系列を担当者と再現する。

  3. 03
    時間を分類する

    処理時間・待ち時間・手戻りを分け、8分類へ割り当てる。

  4. 04
    頻度とばらつきを測る

    通常・繁忙・例外で、件数、中央値、最大値、発生条件を見る。

  5. 05
    根拠と原因を確かめる

    計測、ログ、帳票、観察で裏付け、原因仮説と分けて記録する。

  6. 06
    改善レバーを選ぶ

    削減可能な時間と、システム・ルール・体制のどれで変えるかを決める。

RECORD FIELDS

工程ごとに残す項目

担当者・役割

誰が実行し、誰が判断・承認するか

開始条件と入力

何を受け取ると始まり、情報は揃っているか

出力

何を作り、次の誰へ渡すか

頻度・件数

日次・月次件数、繁忙、案件差

処理時間

手を動かしている正味時間

待ち時間

誰の何を、どのくらい待つか

判断基準

参照情報、ルール、暗黙知、判断者

例外・手戻り

種類、頻度、戻り先、発生理由

根拠

ログ、帳票、計測、観察、発言の確認状態

WORKED EXAMPLE

「見積に約1週間」を仮分解する

以下は診断前の仮説例です。実測値ではなく、次に確かめる場所を共有するための可視化として使います。

この仮説から先に確かめること

AIで部品判断を短縮しても、最大の時間が他部署待ちなら全体リードタイムは大きく縮みません。まず依頼・回答の時系列と、手戻りの発生理由を実案件3〜5件で確認します。

OUTPUT

診断の出口は「作る機能」ではなく「変える時間」

DELIVERABLE業務ボトルネック診断シート
  • 対象業務の開始・終了と、実例ベースの工程
  • 実作業・探索・判断・転記・待ち・手戻り・例外の時間構造
  • 主要ボトルネックと根拠、未確認の原因仮説
  • システム、ルール、体制、データ整備の改善候補
  • 期待効果の測定方法と、次の提案タイプ
原因が業務設計・待ち業務改善・連携設計へAI判断が有力候補AI・データ実現性診断へ